実演鑑賞
満足度★★★★★
気の遠くなるような壮大な物語。
その壮大さに負けないくらい舞台セットや衣装等、美術に力が入っていて延々と移り行く世界、生活の場へと瞬時に入り込ませてくれる。
冒頭から すっかり目を奪われてしまいました。
きっとお金もかかっているだろうけれど、何よりセンスが良い。
そして決して死ぬことのない伯爵が持つ独特のトーンといい、それぞれの時代を彩っていく登場人物達の多彩さといったら、笑いのスパイスもしっかり効いて 演技の方も驚くほどにセンスが良い。
伯爵は死なないだけでなく、いつまでも若くて美しい。
本物の若さに囲まれて、その中にちゃっかり溶け込んでいる伯爵はひょうひょうとしながらも、どこか一歩引いた立ち位置を必死に維持しているようでどこか物悲しい。
出逢いや別れは長い年月と共に風化していく。
そんな出逢いや別れに意味があるのか・・・
そんな問いかけに胸をしめつけられ、その後の導きにまた心打たれてしまうのでした。