実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/08/20 (土) 18:00
主催者である文化芸術教育支援センターというのは特定非営利活動法人いわゆるNPO法人であるらしいし、公演のタイトルからも何となく説教臭い内容なのではないかと多少の危惧があったのだが、(私自身は信仰していないものの)実家の宗派は浄土真宗だということもあって、劇場へ。
貴族の家に生まれながらも平家による暗殺を避けるためもあって9歳で出家した親鸞が、厳しい修行と煩悩の果てに自力修行の限界を感じ、29歳で命の危険を冒して比叡山を下りて法然の弟子となるまでの物語だが、3人の奏者による和洋の楽器を用いた生演奏を加えての舞台は緊密で面白かったし、勉強にもなった。
「観たい!」に書いた2009年の前進座公演「法然と親鸞」の何倍も素晴らしい出来だった。
山本タク演出の舞台はいくつも観ているが、私が観てきた中ではこの作品が彼の演出の最高傑作に思える。
土曜日夜の回で客入りは6~7割といったところだったが、題名やチラシ等から宗教色を減じれば、もっと多くの人に観てもらえたのではないか。
上演時間2時間5分。