リフラブレイン 公演情報 MCR「リフラブレイン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    不幸のどん底を笑い飛ばし、愛でる
     「CoRich舞台芸術まつり!2009春」にてグランプリを受賞した『シド・アンドウ・ナンシー』に続き、駅前劇場で対面客席でした。どの席でも見やすいようにとの配慮を徹底されているようです(駅前劇場は比較的に天井が低いので)。上演時間は約1時間40分。

     ある姉弟の最も多感な時期(10~20代)のさまざまな事件を、笑いをふんだんに交えながらも、シビアな視点から描く悲喜劇でした。相当なひねくれ者だと自認している私ですが、やはりMCRではかなり無防備に笑わせてもらえます。

     舞台上で役者さんが大きな声を出して元気に動き回っていても、弱いからこそこぼれ出てしまう憎まれ口や、笑顔の下に隠れたSOSの悲鳴が伝わって来て、繊細に震える人間の感情を味わうことができました。

     来年3月の次回公演について↓、出演者オーディションが行われます。応募〆切は11/30。
     http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=12681

    ネタバレBOX

     私は劇場入り口に近い側の客席でした(全席指定)。舞台の上下(かみしも)にはベッドが1つずつあり、上下両方の壁際には包帯に巻かれた街灯が立っています。舞台中央にはイスやテーブルとして使われるボックスが数個。つまり左右対称の舞台美術でした。

     10代の時に両親に捨てられた姉と弟。姉のつくる不味いパンとミルクセーキ(水にガムシロとミルクを入れたもの)を食べながら、2人でおしゃべりするのが弟にとっては一番の幸せでした。でも両親が死んだことをつきとめた姉は、学校を辞めて働くことに。
     姉が借りた借金を返すために工場で重労働をしたり、姉のせいで傷害事件を起こしてしまい刑務所に入ったり。弟は姉に振り回され続けます。でも2人がとても不器用な愛情でつながっているのが可愛らしい。

     姉弟が極貧の生活をしていた時、両親は田舎でこっそり農業をして生きていました。2人は姉に居場所を突き止められた時、とっさに車で逃走し、タイヤがぬかるみでスリップして車ごと電柱にぶつかって死んだのでした。つまり間接的とはいえ、姉が両親を殺してしまったのです。その事実が露呈してから、姉と弟の関係に初めて本格的な亀裂が入ります。刑務所の面会室での決別の瞬間が、一番胸にぐっときました。

     別れても出会って、また別れても、また出会ってしまう2人。恋人同士じゃなくて幼いころからずっと一緒に暮らしてきた姉と弟だから、疑問を感じたりせず、すっと心に入ってきたのだと思います。自分と同じ文化を共有している人って、そうはいないんですよね。

     転換中は薄明かりが点いており、暗転は極力少なくしているようでした。転換後は前の場面から2年経っているという時間の進み方が、素早い転換のリズムと合っていて心地よかったです。音楽も軽やかでした。
     姉役の石澤美和さんと弟役の櫻井智也さんは頻繁に衣裳を替えていて、時間の経過がわかりやすかったですね。特に櫻井さんの上着(トップスっていうのかな)がカラフルで素敵でした。

     役者さんの演技については、全体的に前作の方が隙がなかったように思いました。オーディションで選抜された方が出演する次回公演に、また期待します。

    0

    2009/11/03 03:14

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大