『ROMEO & JULIET』 公演情報 東京デスロック「『ROMEO & JULIET』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    アジアのロミジュリ
    個人的な事情から、岡崎藝術座するべきか、東京デスロックにするべきか、というハムレットなみの苦しい決断を迫られて、結局選んだのがこちら。

    ネタバレBOX

    東京デスロックの「ROMEO &JULIET」は去年、キラリ☆ふじみで上演された「大恋愛」のワンパートと基本的には同じだろうと思っていたから、当初はパスするつもりだったのだが、韓国バージョンを見た人の強力なプッシュもあったので改めて見てみることにした。

    序盤に演じられたやりとりは、2年前にリトルモア地下で上演された「演劇LOVE~愛の3本立て~」のひとつ、「LOVE」を彷彿とさせる。
    舞台上の人物が一人ずつ増えていき、その過程で他者が内輪に受け入れられていく様子を無言のパフォーマンスで表現したものだった。これはのちに東京デスロックとは別の公演、Castaya Projectでも見たことがある。

    意外なことに、韓国の役者が演じることで、日本の役者が演じた他のバージョンとはずいぶん違うインパクトがあった。本編である「ロミオとジュリエット」に入ってからも決して悪くはないのだが、どういうわけか序盤のこのパフォーマンスを見ているうちに何度も涙腺が緩んできた。言葉の通じない役者たちが演じているにもかかわらず、作品の意図するところがビンビン伝わってくる、たぶんそのことが予想外に感動的だったのだろうと思う。

    本編のロミジュリでは、序盤で示された群れの力学みたいなものが役者たちの動きによってそのまま引き継がれ、一方、台詞の面では従来通りのシェイクスピアのドラマが演じられる。相反する役者たちの言葉と動きが、愛し合う二人と憎みあう両家の愛憎関係にうまくマッチしているように思えた。

    出演した韓国の女優のうち、踊りっぷりのいい一人が特に印象に残った。体つきは華奢で小柄だが、顔立ちは日本の女優の洞口依子にちょっと似ている。名前はわからない。

    韓国バージョンを見ていてふと思ったこと。
    日本の場合は黒いスーツに黒いネクタイといえば喪服のイメージだけど、韓国ではどうなのだろう。中国では喪服は黒ではなく白だという話を聞いたことがあり、韓国も儒教の影響が大きいから、ひょっとしたら日本スタイルの衣裳を喪服とは感じていないのではないだろうか?




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    2009/10/25 23:41

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