実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
物語は、自殺したと思われた夫であり父親が生きていた という奇抜な設定から、身近な夫婦、親子の在り方や捉え方へ巧く誘い込む。面白可笑しい場面を小刻みに展開させ、テンポ良く観せることで観客の気を逸らせない。
婚姻届けを出した夫婦、優しい父親といったことが”普通”なのか分からないが、この物語では戸籍に拘らないパートナー、厳しく突き放したような態度にも 親なりの思いがあること、そんなダイバーシティの考えが立ち上がってくる。
コロナ禍で延期を余儀なくされたリベンジ公演、A.ロックマン氏が当日パンフで「今、とてつもなく演劇がやりずらい状況も、父が僕に課した試練のように思えば、ありがたくその試練と向き合い・・・」と書いているが、それを実行 乗り越えたかのような公演、しっかり楽しませてもらった。
なお、小劇場B1はL字型客席であるが、役者の立ち位置や目線は 一方の客席を意識しているように思われたのだが…。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)