出鱈目 公演情報 TRASHMASTERS「出鱈目」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    過疎の街で、市長が肝入りで始めた芸術祭。入選作カルニゲが、スポンサーの軍需企業を「市の商人」と批判するものだったために、スポンサー企業が猛反発。市長は入選取り消しを迫られる。軍需企業の下請けの社長である市長の息子、軍需企業の元重役の娘である妻と、家族内の紛争も絡んで、表現の自由と公益、多数意見と少数意見のどちらに正義があるかなど、激論がたたかわされる。

    表現の自由を守る論理が正しいと思っている僕からすると、反対派は感情的に見える。「不快にさせる表現」を忌避し、それを理由に、その絵は公益に反するから税金で運営する芸術祭の賞を受けるべきでないというのはおかしい。一方、表現の自由を擁護する議論は大上段過ぎてニュアンスに欠ける。私が言うのもなんだが、正論を言う側にこそ恥じらいがほしい。ただ、ラストの市長の新しい決意は苦しんでたどり着いただけに説得力があった。

    ネタバレBOX

    市長として芸術祭を仕切ると権力と芸術の板挟みに合うから、一市民として芸術祭に関わるようにする、と言うのは、言われてみればその通り。愛知トリエンナーレも知事や市長が実行委員長などをやっているから、表現の自由一本で貫けなくなる。
    ただ公の、税金を使った催しだから‥と言う意見が考えられるが、そこが落とし穴。金は出すが、口は出さないに徹するなら、首長が実行委員長にいるのはおかしい。
    共産党が文学作品に出していた多喜二百合子賞を辞めた理由の一端もそこにある。

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    2022/07/20 22:06

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