実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしい作品でした。
落ち着きのある巧みな役者さん達ばかりで、戦後10年以上経っても色濃く残る傷跡…
そこで少しずつ穏やかさを取り戻し始める当時の日常が丁寧に描かれていました。
人間模様が丁寧に折り重なっていき、そして中盤に訪れる主人公の塩崎こうせいさんが演じる
若くて有望な作家の先生に訪れる若年性認知症の病魔…
それを受け止める奥様役は、実生活でも奥様の國立幸さん…
徐々に表れ本人にも自覚が生じてしまう認知症の恐ろしさ、
そして周りはそれでもみんなで受け止めようと温かく接する素敵な空気感。
終盤はボロボロと泣いてしまう、美しい物語でした。
笑いも自然と起こる、ギャグではなくユーモア、と言える様なもので、
心地良く世界観に包んでくれる上質な作品でした。