実演鑑賞
満足度★★★★
18日午後、下北沢のシアター711で上演された、藤原たまえプロデュースVol.10『ことし、さいあくだった人』の千穐楽を観た。このところ下北沢で観劇というと、今回の舞台も合わせて藤原たまえプロデュースの公演を3連続で観たことになる。劇場は、いずれもシアター711。これについては、藤原珠恵もプログラムに自虐的に触れている。まぁ、全てはコロナが元凶なのだろう。
さて、今回の舞台はとあるカウンターバー。とは言ってもテーブル席も1卓ある。小説を書き上げようと、そのネタ探しのためにバーでアルバイトを始めた柴田(西野優希)。マスターの松坂(桑山こうたろう)の手を焼かせながらネタ探しに励んでいるそのバーで繰り広げられる、2組というか2グループの客の恋愛がらみのドタバタ悲喜劇。グループ内の揉め事は、最後にもう一つのグループに飛び火する。結構笑えるシーンもあるし、「あ、それあるある」と思えるシーンもあり、80分ほどの上演時間をフルに生かした作品・演出に、大満足。倒叙人物は全部で8人。つまり、バーの2人以外は、三角関係の縺れをを演じる男女3人と、会社の上司と部下のこれまた同性愛まで飛び出す男性3人。それぞれの役者が持ち味を生かして大変面白い。大抵その中で誰か印象深い役者がいるものなのだが、今回に限っては全員がある意味同じくらい目立っていた。こういう作品も有りなんだろうね。内容的に、その後みんなどうしているのか気になる展開。続編も出来そうな感じ。いやぁ、楽しめました。
次回のプロデュース公演も期待して良さそうだ。