朝焼けのパレード 公演情報 ハチビットプラネット「朝焼けのパレード」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    第一級娯楽作
    国家独立に尽力し初代大統領に就任した人物をクーデターによって倒した独裁者が支配する架空の国が洪水に見舞われ、その援助をするにあたり周辺諸国から出された条件によって実施されることとなった「民主的な大統領選挙」をめぐる物語。
    といっても堅苦しいものではなく、候補者の1人が正体を隠した初代大統領の娘と知り、彼女を勝利させようと動く隣国からの報道記者たちを中心に描いており、娯楽性十分。
    もちろん、報道が及ぼす影響やジャーナリストの使命と責任、クーデターによって独裁政権下に置かれた国民の気持ち、などシリアス気味なものもちりばめてあり、しかし全体的にはユーモラスで、緊張感(サスペンス?)の高め方と息の抜き方も絶妙、「娯楽性十分」どころか「第一級娯楽作」か?
    そのシリアスさと娯楽性のブレンドの巧みさに『遠い夜明け』(リチャード・アッテンボロー監督、87年)を思い出す。
    そんなストーリーに加えて人物設定と配置も完璧と言って過言ではないほどに上出来。
    かつて記事をめぐって反目した(が、今回結果的に協力することになる)2人の記者がイキオイで行動するタイプと臆病なほどに「石橋を叩いて渡る」タイプであったり、彼らにTVレポーターも加えて「これが正しい」という答えのないジャーナリストの姿勢をそれぞれ表現させたり、終盤で何人かがそれまで隠していた顔を現したり(若干お約束的あるいはご都合主義的なニオイもするが「芝居のウソ」としての許容範囲内であるし、それよりも楽しく愉快・痛快なので全く問題ナシ)、しかも登場人物全員にそれぞれ見せ場があるし。
    さらに、いくつかのどんでん返しを経ての終盤の思いがけない展開とそれを踏まえたエピローグもホントに巧い。
    こりゃあもう「傑作」を優に通り越して「名作」ですぜ。

    ネタバレBOX

    安易に選挙戦に勝利するのではなく、結局初代大統領の娘も「事故死」させられてしまい、そこからの国民蜂起なんて「ちょー劇的」で「そう来ましたかっっ!!!」な鳥肌モノだし、「こうあって欲しかった」な姿を記者が想像するラストシーンは美しいし…

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    2009/10/09 23:59

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