満足度★★★★
木村了の魅力に全てが凌駕された舞台
題名しか知らなかった、スタンダールの「赤と黒」、それを小劇場でどんな風に料理するのか、興味と不安とない交ぜの気持ちで観に行ったら、まあ、いろいろ難点はあるにしろ、木村了の圧倒的魅力が、全ての欠点を補って余りあり、後半は、ただもう、彼の美しさにたじろぐ思いさえ感じながら、見入ってしまいました。
フジTVのドラマや、大河ドラマで、楽しみな若手俳優が出現したと楽しみにしていたけれど、新感線と今回の舞台で、舞台俳優としても、逸材であると確信できました。
赤澤ムックさんの作品は初見ですが、フランスの歴史に疎い観客にも、わかりやすく、噛み砕いた脚色の才には感心しました。
ついでに、あまりの理解不能のために、途中で投げ出した「王妃マルゴ」の解説まであって、2冊の内容を勉強させてもらって、感謝したい気分です。
フランスの歴史や、キリスト教の教義に詳しくなくても、充分理解できる構成で、本当にありがたい舞台でした。