実演鑑賞
満足度★★★★★
ただ感じるまま泣いていい。そこに生きている人々を見るがまま。
それぞれが抱えた過去の傷と向き合い、現実を受け入れ、生き続けて行く物語。
CROWNS クラウンズ「畳屋のあけび」
シアター代官山
2022.7.6水-7.10日 上演時間 約130分
作品の時代は昭和。終戦から10年後の頃。戦争を経て、命の重み・生きる事の意味・周囲の人との関係性・価値観が大きく変化した。
日々起こる出来事に対して、共有し、
お互いに、迷惑を掛けつつ、助け合い、気持ちに寄り添い、日常を生きて行く事の尊さを描いた、秀逸な脚本。
昭和の雰囲気に合った衣装を身にまとい、実力があり魅力的なキャスト、一人一人が、丁寧に会話を紡いで、繊細に表現し、
音響・照明・小道具・舞台装置が、効果的に彩りを添えていた。
作家である主人公の、アルツハイマー型認知症(主に記憶障害)発症により、対応に戸惑う周囲。
主人公夫婦二人の葛藤を、正直に色濃く表現していて、胸を打つ。
症状が進行していく中、周囲の人々は、とにかく優しく、見守り続け、作家の小説は完成する。そして、生き続けて行く。
どんな状況になっても、この人だから、一緒に居たい。そう思える人と出会えた事の幸せ。
序盤から、自然に涙が溢れ、ずっと止まらなかった。コミカルな部分もあり、
上質な、とてもとても良い作品でした。
2022.7.7(木)14時・19時の回 2回観劇。
トランクウィル 記する。
2022.7.8(金) 15:21