赤と黒【脚色・演出:赤澤ムック】 公演情報 avex live creative「赤と黒【脚色・演出:赤澤ムック】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    栄光と破滅
    ジュリアン・ソレルを演じた木村了がとにかく美しくてキュートです。
    男子なのに出演者の誰よりも美しいって、どゆこと?!笑
    まるでベルバラ並みのオスカルレベル!

    女性客が多いのも頷けちゃう。

    以下はネタばれBOXにて。。


    ネタバレBOX

    「若き栄光と破滅」を描いた赤と黒。
    貴族社会が戻ってきた頃のフランスっていう設定なのだけれど、舞台上にはポールに吊るした無数の衣類が目の前にどっか~ん!と設置してあるから、舞台は上品さを感じない。むしろ、庶民的な空気が漂っていて、この感覚は、これから始める上流階級のシーンを壊してしまうのではないか、と案じる。
    どうやら、赤澤ムックのお話では「ファッションショー」という意味合いもあったらしいけれど、この舞台でこの吊るし方はどうかと思う。

    小劇場でこんな演出の仕方を観る機会は多い。以前観たハイバイの「リサイクルショップ」もそうだった。それ以外にも、数多く観てるが、それはあくまでも庶民レベルの内容だから、ごちゃごちゃしていても納得するんだよね。


    ジュリアン・ソレルは、ラ・モール侯爵令嬢マチルドの愛をも勝ち取り、結婚にむけてラ・モール侯爵の承認をとり、身分や財産、肩書きを貰ったことから「神父としててっぺん取って見返してやる」というもう一方の野望はあっさりと諦めてしまう。ここまでジュリアンの鏡(もう一人のジュリアン)がジュリアンの心の友だったが、有頂天で傲慢になっていくジュリアンは彼の「司祭になる夢はどうした!」と司祭に拘る彼の導きや言葉が疎ましくなって、捨ててしまう。
    トントン拍子にジュリアンのサクセスストーリーは完結したかにみえたが、レナール婦人との過去を暴露されてしまう。そしてレナール婦人からの手紙には「他人の家庭に入り込んで、その家庭の女性を誘惑してる。」と書かれてあった。
    手紙は婦人が若い神父に無理に書かされたものだったが、経過を知らないジュリアンは絶望してしまう。それはジュリアンの心にはいつもレナール婦人の美しく上品な笑顔があったからだ。

    ラ・モール侯爵は「結婚を許さない。ナポレオンも100日天下だった」と言い、ジュリアンの結婚は破棄されてしまう。
    ジュリアンは自暴自棄になって教会でレナール婦人を銃で撃ってしまう。私を撃って!とまでに両手を広げるレナール婦人に「どうしてこんな時まで美しいんだ・・。」と言いながら・・。

    裁判の当日、ジュリアンは「後悔しています。平民があつかましくも上流社会に入ろうとしたから。神様ってなんですか?神よりも自分のプライドとか自分の野心を信じてやってきました。」と言い放つ。
    これによって彼への評価は悪くなり小さなヨットが濁流に呑まれるごとく死刑判決が下る。

    世の中で一番難しい事。それは自分に正直に生きる、ということだと思う。

    「すべて良し!」 ジュリアンが最後に放った言葉。


    メインキャストの実力のある演技力は流石!
    ただ、ファッションショーに視点を置いたせいか、舞台での慌しさが芝居の優雅さを邪魔したように感じた。貴族社会という場面だけにポールに吊るされたにごちゃごちゃした衣類や、キャストが着替えるさまも同じ舞台で見せる設定は中々、ヨーロッパの貴族という空想の世界に入れなかった。
    つまり、常に現実めいたその仕草が空想する余裕を与えなかったのだ。。

    追伸:アフタートークはグズグズ。やっつけ本番なんでしょうか?
    劇団によっては素晴らしいトークを催すのに、遅くまで残った観客に失礼なトークでした。

    4

    2009/10/03 11:57

    0

    0

  • きゃる>
    >演出上の「ファッションショー」というのが見当つかず、観に行く決心つかなかったんですよ。

    あ、その気持ち解ります。
    ワタクシも芝居重視型なので中途半端なファッションショーなら観たくないですね。
    実際のファッションショー、観てるし!
    小劇団の中でファッションショーみたいな衣装に拘って芝居をするので有名な「地下空港」がありますが、彼らは自分で衣装を製作してますからねー、レベルが違いすぎる。


    2009/10/13 13:23

    コスチュームものは特に雰囲気大切ですよねー。
    木村了は以前、新国立の「弱法師」で芝居も巧いなぁ
    と思ったので主役に異論はないけど、演出上の
    「ファッションショー」というのが見当つかず、観に行く
    決心つかなかったんですよ。美形の主役頼みは先の
    「ドリアン・グレイの肖像」で懲りたので(笑)。
    だから、みささんの批評文で、雰囲気がつかめて、「自分
    にはたぶん合わなかっただろう」と納得できた。ありがとう
    ございます。

    2009/10/13 10:27

    きゃる>
    舞台の空気感って重要ですよね?
    貴族社会を描いてるのに、なんだか青空にたなびいてる洗濯物の数々が干してあるような状態で、おもいっきり庶民的でした。(苦笑!)

    ムックはファッションショーのイメージがあったと思うのだけれど、ワタクシ、ファッションショーで舞台に吊るされた場面は見たことないです。
    舞台の演出ってすごく大切ですよね?

    はい。木村了はニンゲンじゃねー(^0^)

    2009/10/10 10:49

    >貴族社会という場面だけにポールに吊るされたにごちゃごちゃした衣類や、キャストが着替えるさまも同じ舞台で見せる設定は中々、ヨーロッパの貴族という空想の世界に入れなかった。

    この一文、とても説得力があります(笑)。
    それが赤澤ムック好みなのかなー。

    ほとんどの客は木村了しか観てないんでしょうね。

    2009/10/09 04:52

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