もんくちゃん世界を救う 公演情報 U-33project「もんくちゃん世界を救う」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/06/25 (土) 18:00

     今回私が見た作品は、流れてきた大きな桃を巡ったトラブルから、それまで仲の良かったおじいさんとおばあさんに決定的な溝ができ、口も聞かなくなったが、また元のようになろうとおじいさんが話しかけようとしても、相手を見るたび、悪口が思い浮かんできて、それを言ってよりお互い険悪になってしまうので、おじいさんは文句の研究をすることにして、街中の牛丼屋に通うようになり、そこで人の心を読める極度に引っ込み思案で挙動不審な女の子に、もんくちゃんと勝手に呼び、文句を言いたくて堪らないが我慢して、極度なストレスが溜まっている人たちに手を差し伸べ、鬼を退治しに行くという、さらに劇中、童謡の『桃太郎』が流れたりして、完全に桃太郎のパロディだと感じた。
     なぜかというと、もんくちゃんに自称博士のおじいさんがまずピンクのチョッキ的なものを着せ、頭に日の丸が描かれ鉢巻を巻き、手にはきびだんごを持っているからだ。
     次に、犬、猿、雉は、それぞれ、パワハラを受ける気が極度に弱い会社員男性、同級生にイジメられ、パシリにされる女子高生、友達ゼロで、負のオーラ全開で、自殺寸前の女性と、現代の社会問題を全面的に盛り込みつつ、個性的な登場人物たちで、その魅力に引き込まれた。
     ストーリーテラー役の中村透子さんという役者も独特の味を出していて、前にも何度か違う劇で観たことはあったが、存在感があった。
     小泉愛美香さん演じる、キクちゃんも、天真爛漫で、ハイテンションで、のべつ幕なしに喋り続ける役でもあるので大変だとは思ったが、見事に役になりきっていて、とても良かった。この役者も前にも何度か違う劇で観たことがあったが、新しい役にも対応できていて、素晴らしかった。
     途中笑える場面も多かったが、現代人の社会問題や病的なものをつぶさに炙り出していて、深く考えさせられた。

    ただし、舞台と客席がだいぶ離れているのは、コロナ禍から、緊急事態も開けてだいぶたっているのに、その感覚には、とても気になった。

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    2022/06/29 20:47

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