実演鑑賞
満足度★★★
ストーリーテラーの中村透子(とうこ)さんが本作の絵本を手に持ち、読み聞かせを始める。文句ばかりで喧嘩が絶えない老人夫婦の話を子供向け番組風味のコミカルなアクションをまぶして展開。皆で同じ動作をダンスのように振り付ける様がリズミカル。子供番組のノリで話は進む。おじいさん(伊藤瑛佑〈えいすけ〉氏)が向かったのは牛丼屋。牛丼の吉田家の店内放送がなか卯の水樹奈々そっくり、何故かaikoばかりかけている。そこにいたゆでちぃ子さんがおじいさんの目に止まるのだった。
ゆでちぃ子さんを中心に桃太郎を模した一行、不条理な世間に文句を言えない弱者達が鬼退治に向かう。会社でパワハラに遭っている犬(柴崎史也氏)、学校で苛めに遭っている猿(早見蛍〈けい〉さん)、誰からも無視されている雉(田中天さん)。町中に痛みが溢れ、被害者の憎悪が向く先は加害者ではなく、何も出来なかった自分自身。
中村透子さんが最高、ずっと観ていられる。彼女のリアクション芝居は秀逸。赤鬼役の平安咲貴さんはこういう嫌なキャラがよく似合う。小泉愛美香さんはもう神々しい。(ただファンなだけ)。