実演鑑賞
満足度★★★★★
波の音が聞こえてくる家、楽しくて賑やか、それでいて染み入るひと夏を満喫。
主人公女性と彼女を取り巻く様々な人達。
今回は特に人物描写に入魂されていた印象で、自分が知る所の「ここ風」さんとは一風変わった謎めいた人物の存在、そしていつもの「ここ風」さんらしい個性と個性がぶつかり合う掛け合いの妙。
「父はこの浜で一人、何を思って暮らしていたのだろうか」
そうだ、そうだった、あらすじではそんなストーリーだった。
そんな事前情報さえ、しばし忘れて見入ってしまっていた(笑)
疎遠なまま亡くなってしまった父の足跡をたぐっていく一辺倒なアプローチではなく、登場人物達の言動から滲み出る思いを掬って、観ているこちらも物語をたぐりよせていく様な感覚・・・この感じを何と表現すれば良いのか、不思議な魅力に満ち満ちた公演。
雄大な波の音を感じながら、その先も観ていたい!そんな余韻を残したまま、楽しくも切なく過ぎ去った時間を、彼等が過ごしたひと夏を噛みしめながら劇場をあとにしたのでした。