実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
閉じられた空間、時間の制限、決定方法等の設定は、法廷劇「十二人の怒れる男」を連想させるが、劇中で議論される「模倣」か「原作」かで言えば、「ナイゲン」は間違いなくオリジナル学園会議劇の秀作だ。因みに劇中比べたのは「ロミオ&ジュリエット」と「ウエスト・サイド・ストーリー」で、あまりにも有名な話。
「理屈」と「感情」を較べてみれば、感情が先走ってしまう会議。公演の議論はあちらこちらに漂流し何処に辿り着くのか分からない面白さ。それでいて会議全体の流れは分かり易いといった印象であるから不思議だ。また、当初 印象が薄くあまりやる気が感じられなかった議長がその責務を果たそうと…その成長譚が清々しい。文化祭を取り仕切る内容限定会議ーーナイゲンは表層の面白さだけではなく、そこに潜む会議体や民主主義の問題を考えさせる。
今の世界情勢を鑑みれば、”話し合うこと”の重要性は明らか。再演のタイミングがピッタリだ。
(上演時間2時間)