「極み唄」 公演情報 LIVES(ライヴズ)「「極み唄」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    濃厚!
    LIVES初見でした。
    普段の公演とは異なった、「単独ライブ」という劇団員のみで作り上げた短編オムニバス。
    ラジオのDJの会話と曲を導入にしてつながれてゆく4編の濃厚な短編。
    どれも緻密な構成と役者さんたちの個性が溢れていて笑いっぱなしでした!

    大浜直樹氏、登守髭生氏、雑賀克郎氏のベテランたちがほとんどの話を回す役だったのだけど、せっかくの劇団員のみの公演なら若手に短編のひとつを任せても良かったんじゃないかな、とは思いました。

    けど、ベテランはどの話でも中心になるだけのものを持っていて、話だけでなく役者さんにも魅せられる舞台でした。

    演劇というよりはコントライブに近いですね。
    でも、大好きです。

    ネタバレBOX

    「高校教師」
     生徒を仮定した空席のイスを相手に2人の教師が威勢よく説教をして、金八先生的な感動的な展開をした後に、2人が暴力を振るいだす。
     「おいおい、そこまではやりすぎだろ」と思ったところに後ろから今風の悪そうな生徒がひとり登場。この生徒の登場に今までの威勢をすっかり失って、リハーサル通りに事が運ばないでオタオタするのがおかしい!
     演劇の構造を逆手にとって笑いに昇華した作りに唸らされます。
     教頭役の無駄に声が良いのがツボでした。

    「ジョニー」
     キャリアだけはあるベテランホストのジョニー。でも指名客は全く付かず、入ったばかりの新人にも追い抜かれる始末。そんな彼を何とかしてやろうとなだめたり説教したりの店長。
     勢いに任せてまくし立てる店長と、それを煙に巻くようなジョニーの無言ぶり、声の小ささ、そして女性っぽいしぐさや表情。
     そんな時に女性客が飛び込みで入ってきて、早速ジョニーを試す事に。

     とにかくジョニーの表情や少ない言葉から作り出される気持ち悪い雰囲気で笑わされっぱなし!
     そしてそれに振り回される店長との掛け合いがおかしくておかしくて。
     最後のオチの「自称ホストのジョニーです」が演目前のラジオの会話とリンクしていて上手いです。

    「HERO」
     カラオケボックスに集う5人の不審な集団。強盗の計画をたてに集まっているらしい。しかし彼らは皆素人。ネットで集まった5人はお互いをあだ名で予防と言い出し、ストッキングを被り、怪しまれるとマズイからと店員が来たときだけ無理に歌って盛り上がってみせて。
     ストッキングを被って無理に盛り上がる不審集団。どこから見ても怪しい集団と化してどツボにはまってゆくのがおかしい!
     ストッキングを被って「HERO」を熱唱するのは反則というほどおかしくて。
     最後は結局競馬で大勝して犯罪を犯さずに終わるところも何だか愛らしくて良いです。

    「あい」
     あるバー。ヤクザの兄貴分と弟分が飲んでいる横に名探偵コナンのような格好をした男性が寂しげに座っている。そしてヤクザに対して「何であなたたち見たいな人にはキレイな女性がよってくるのに私にはいないのか」と語りだす。
     「あい」とは加藤あいの「あい」で、コナン風の男性は加藤あいが好みらしい。そしてそれに似たキャバクラの「あい」という女性に入れ込んで3週間通い詰めたけど撃沈して意気消沈していた。

     最後はヤクザとコナン風男性がお互いに理解しあい、ジンワリとくるラストに心温められて終わる。笑いだけでなくて、こんな事もできるのかという幅の広さを見せる作品でした。
     個人的に好き。


     悪い人は出てこないでコント風の笑いを作り上げて、見た誰もが暖かい気分で帰る事ができる。そんな作風が今の小劇場ではなかなかみられなくて、これはこれで楽しいです。

     長編の本公演も見たくなりました。

    0

    2009/09/20 12:17

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大