『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★) 公演情報 舞台芸術集団 地下空港「『轟きの山脈』(公演写真を掲載中!「写真」をクリック◎→→次は6月中野ポケット☆★)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    美しい舞台でした。が・・・
    舞台装置や照明などはとても美しく、秀逸なシーンがいくつもありました。

    しかし、シーン間の物語のスケール感などがうまくつながっていかず、作り手が意図したであろう物語のふくらみには至らなかったのではと・・・。

    ネタバレBOX

    いくつかの本当に美しいシーンがありました。
    また、しっかりと密度を作り上げたシーンもありました。

    たとえば審判の場面など、ぞくっとくるほどの力があって・・・。

    しかしながら、それらのシーンに至る伏線がしっかり張れていないと言うか、必然に欠ける物語の流れが秀逸なシーンを支えきれていないように感じました。

    ファンタジーの世界ですから、いろんな矛盾をつっこむのは野暮というものでしょうけれど、その世界を背負う主人公たちの想いを浮かび上がらせる裏づけが薄いのはちょっとつらい。

    悠久の時間を背景に物語を見せるのですから、たとえば、主人公達の愛情にもっと細微な背景がないと、観ている方は物語の結末をを受け取るに十分なほどにのめりこんでゆけないかと。「二人は愛し合っていた」という「概念」やその姿はしっかりと作られているのですが、物語のスケールからするとそれだけでは弱い感じがするのです。

    また、舞台に流れる時間を何億年という尺の中の「今」へと導くには、シーン間のつながりが脆弱であるようにも感じました。作り手の視野の大きさには魅力を感じるのですが、たとえばインナーチャイルドなどの舞台に見られるような観客の視座をぐぐっと引っ張り上げるような仕掛けの精緻さやダイナミズムが感じられず、料理番組でいうと、作り方を説明されて次のカットで完成品を見せられるような感じがして。

    だから、音楽の使い方などにも、そこはかとなくあざとさを感じてしまうのだと思います。

    役者達にはしっかりとした切れがありました。メリハリの利いたお芝居が随所にあって・・・。
    また、幕や梯子の使い方などもとても秀逸だったと思います。
    照明も、息を呑むほどに美しい部分が何箇所もありました。

    でも、比喩や洒落としてではなく、「愛」と「人類の存亡」を天秤にかけた物語です。
    さらなる密度を舞台に醸成するような仕組みがないと、この物語は作者が抱いたであろうとおりに観る側に膨らみきれないように思うのです。

    PS:当日は特別ということで、momo椿のライブがありました。
    アコーディオンの響き、すごく良い・・・。
    端正な歌詞と
    華やかさをもった2台のアコーディオンの音色の不思議な一体感。
    聴き惚れてしまいました。

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    2009/09/17 17:31

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