満足度★★★★
緻密な脚本に脱帽!
ある事故が原因で死亡した12人を描く重量級ミステリー。
トラック横転事故で死亡した12人の霊は、搬送先の病院の仮遺体安置所で、顔を合わせるが、11人の赤の他人に囲まれ、自身に何が起こったのか理解できずに、困惑する。
それぞれには、それぞれの鍵でしか開かない扉があり、その扉を開けることで、断片的に記憶がよみがえってくる。12人の記憶の断片がひとつになることで、事件の全体像が浮かびか上がってくるという仕掛け。
12人の霊は、自ら死を希望する者、ある者を助けようとして事故に巻き込まれた者など、関連する家族を含めて、見事に描き分けた作家の力量に感服した。出演者が多いにもかかわらず、誰一人として雑な描かれかたはされず、それぞれに、なぜ、今の状況におかれているのかを丁寧に描写されていた。
死期が迫った人物は、大きな事故現場に吸い寄せられるという話を聞いたことがあるが、今回の脚本はまさにそれを髣髴とさせ、それぞれの死に必然があるかのように、感じさせられた。
本劇団は初見であったが、コメディーに定評があるとのことであるが、引き続き本作のようなシリアスストーリーも取り扱ってほしい。
今後に大きな期待を持たせる劇団を発見できた喜びは大きい。
2009/09/17 02:03
2009/09/16 01:02
書き込みありがとうございます。初見ですごいお褒めのコメントを頂きまして、大変嬉しく思います。脚本の松本もコメディでは好評を得てますが、ここであえてのシリアスを展開しました。次回はコメディを上演する予定です。次回もお楽しみ頂けるよう、劇団の総力を上げて上演します。今後とも6番シードを宜しくお願いします。