ジョージ・オーウェル〜沈黙の声〜 公演情報 劇団印象-indian elephant-「ジョージ・オーウェル〜沈黙の声〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    いいと思う。植民地支配についてインド人の批判を受けながら、ドイツ・日本に勝つためにインド人の協力を得なければいけないイギリスの苦衷がよく描かれていた。

    オーウェル(村岡哲至)を支えた妻アイリーン(滝沢花野)の可憐さに惹かれた。そんな女は男の奴隷にすぎないと言われても、いいと思うのは男のサガでしょう。また、リーダーシップだけでなく、だれかを支えるフォローシップも尊重されるべきと平田オリザは言っている。

    アイリーンと対極にある男名前の筆名で書く女性キャサリン・バーデキン(佐乃美千子)の存在が、舞台の思想をぐっと深めていた。彼女の書く、ナチスに占領された30年後のロンドンという架空近未来小説は、オーウェルの「1984」の全体主義国家とも通じて興味深い。虚構の人物と思うけれど、実は実在したのだろうか?

    ネタバレBOX


    惜しむらくは、イギリス対インド、男対女の支配隷属関係がずっと描かれるのに、それが最後のクライマックスを形作るオーウェルの小説とはテーマがずれてしまうこと。。オーウェルのヒット作「動物農場」(その延長にある「1984」)はスターリニズム批判の本だから。動物農場の内容をインドとイギリスの関係にもだぶらせるような新解釈はできないものか。あるいはそういう解釈はないのか?

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    2022/06/13 15:19

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