実演鑑賞
満足度★★★★
23年前の初演の感動が大きすぎたせいだろう。今回は意外とおとなしく感じた。野田秀樹らしいおもちゃ箱のような遊戯性はもちろんあるが、最近の野田演出の舞台よりも群衆の数も少ないし、動きで見せるシーンは少ない。それよりも少人数の会話シーンが多く、意外と理屈っぽく感じた。
筒を遠眼鏡のように除く大正天皇や、2・26事件のクーデターのモチーフがあったことはすっかり忘れてた。今回は、そういう歴史への目配りがよく浮かび上がった舞台だった。
いやらしい俗物のピンカートン夫人を明るく演じた南果歩と、その娘のあっけらかんと態度をくるくる変える前田敦子の憎めない小悪魔ぶりがよかった。