実演鑑賞
満足度★★★★
重いテーマなのに笑いが絶えず、訴えるところはバシッと決める。100分と短めながら、充実した気持ちのいい芝居だった。パワハラとウクライナ侵略が2本柱のテーマ。ウクライナ支援の平和リーディングをやる、小さい劇団プッチンのひと騒動を描く。
劇団名をプーチンと間違えてかけてくる迷惑抗議電話から始まって、稽古場が事故物件の噂、客演の人気女優のワガママや台本へのダメ出し、そこに元劇団員の急死が起きる。自殺らしい。劇団になにか原因があったのかの、疑心暗鬼の探り合いや週刊誌ライターの追及も受ける中から、お互いの本音がこぼれたりする。ドストエフスキーの重量型ではなく、チェーホフ的な微苦笑の芝居。「三人芝居」を公演したプッチンの設定と通じる。ユーモアとペーソスが効いていた。