おしゃべり 公演情報 Rising Tiptoe「おしゃべり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    Rising Tiptoe の魅力は言葉にある
    今回の芝居は「カフェ」「成沢家のリビング」「コミュニティールーム」「教室」という場面でのおしゃべり。

    ものすっごく面白かったのは」「成沢家のリビング」「コミュニティールーム」

    ネタバレBOX

    「成沢家のリビング」では、教師をしている母親と高校生の娘の会話劇。

    母親は娘の1回のテストの偏差値が70だったことを褒めながらも、そんなに頭良く生んでくれた親に感謝しなさいと、言う。
    気を良くした娘は大学で経済学を専攻してマスコミ関係の仕事に就きたい、と相談すると、母親は「無理無理無理。女なんて使い捨て。ましてやマスコミなんて完全なる男社会。内定が出てもお茶汲みコピーとりで社内結婚させられるだけよ。バッカじゃない。サラリーマンは仕事が忙しすぎて会社の外でお嫁さん探せないから人事が手ごろなお嫁さん候補に内定出すの。大学で何専攻したかなんて関係ないわ。経済学部なんかに入って御覧なさい。その顔でしかも頭が良い女なんて誰も貰ってくれないわ。どうしても経済志望するんだったら、責任持って卒業するまでに学内で誰か見つけなさいよ。在学中が勝負。卒業したらもう知らない。自分より頭が良い女なんて男にとっては面倒なだけなんだから。」

    それを否定するようにマリコは、「それって昭和の話じゃないの?」とちょっとは希望を持ちながら言うが、

    母親は「バカね。男は男だって言ってんでしょ。面倒臭がられるだけで済むのはその小鼻の横っちょのが「ニキビ」って言われるうちだけよ。毛穴が詰まって核化し始める頃には自分よりも出来の悪い男が男だってだけで出世して劣等感いっぱいの上司になって、ここぞとばかりにパワハラしだすの。女なんて所詮、職場ではセクハラされるかパワハラされるかモラハラされるかセクハラ・アンド・パワハラ・アンド・モラハラされるかで、プライベートでは独身貫くか結婚するか結婚して離婚するか結婚して離婚して愛人になるか結婚して先立たれるか自分が先に死ぬかで、どう転んだって最後は皆一人で死ぬの。死ぬときにはね、白装束と老人性のイボしか纏えないのよ。」と締めくくる。

    そしてマリコは需要と供給のバランスを考えて大学受験はせずにアダルトビデオの女優になる事を決心する。


    「コミュニティールーム」では団地に住む4人の女の会話劇。
    4人の女は表面上では仲良さそうにしている。団地前の広場に「リサイクル運動市民の会」指定のフリーマーケット会場に反対して自分達の閑静な環境を守ろうと「リサイクル広場反対運動」を開催するのに集まった主婦達だが、入江が来ない。電話をかけても出ない様子に、4人はあっさりと「出かけてるのね。それじゃあ、次回にもちこしましょ。」なんて入江にたいして無関心さを露呈する。その次の日もその次も入江は来ない。それでも4人はコミュニティールームで「入江さん、どうしたのかしら?」と言いながらも、やはり無関心に井戸端会議に花を咲かせる。
    やがて入江がバスタブの中で死んで2週間も放置されたままだったことが解る。清掃屋がバスタブの中の入江の死体の様子を語る状況がおどろおどろしい。
    「腐って剥がれた皮膚が水面に浮かんで、まるでスープのようだった。(あまりにもホラーなので一部のみ掲載)」などとリアルに説明する。

    それにしても・・「貴女方は入江さんと連絡がつかなくてオカシイと思わなかったのですか?心配じゃなかったのですか?」と刑事。

    それでも4人は何も変わらなく入江が死んだ様子を語りながら日常を過ごす。



    「カフェ」「成沢家のリビング」「コミュニティールーム」「教室」の場面を絶妙に繋げ、表と裏の言葉を使い分け観客を魅了する。
    60分弱の公演だったが、あっという間に終わって、ちょっと物足りない感があったものの、セリフのセンスに魅了された舞台でした。
    主婦4人を演じた男優の中に、肌の美しい役者がいて化粧がのっていました。じーっと見てるとドキドキしたっ。笑



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    2009/08/18 00:20

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