雨の一瞬前(再演) 公演情報 ユニークポイント「雨の一瞬前(再演)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    雨とは焼夷弾
    タイトルの「雨の一瞬前」の「雨」とは、東京大空襲で無数に振り注ぐ焼夷弾のこと。
    ストーリー、演出ともに、きわめてオーソドックスであったが、終戦記念日にふさわしい作品であった。

    ネタバレBOX

    朝鮮人収容所で、集団脱走を引き起こし、さらには、監視を殺害した朝鮮人と、日本人と朝鮮人のハーフで、通訳を勤める朝鮮人(?)の二人組が、本郷にある休業中に旅館に転がり込んだところから、東京大空襲までの数日を描いた作品。
    テーマは戦争と、朝鮮人差別。それぞれのテーマについて、左右どちらかに偏ることなく、中立的に事実として描いている姿勢に好感を持った。

    最初は驚きつつも、次第に、朝鮮人2人を受け入れる旅館を営む2人姉妹。姉から朝鮮人の存在を明らかにしないよう懇願され、いったんは了承しながらも、友人である前に、日本国民であることが優先されるべきと主張し、朝鮮人の存在を掲載に密告する出征者を夫に持つ女教師。軍人でありながらも、医師rとして、朝鮮人の治療に当たる軍医。そして、朝鮮人収容所で散々いたぶられたことが原因で日本人を強烈にうらみを持ちながらも、姉妹の暖かさに触れ、徐々に恨みが和らぐ朝鮮人。朝鮮人と日本人のハーフであることから、アイデンティティを確立できずにいる朝鮮人(?)
    それぞれの苦悩をうまく描いた作品であると思う。
    惜しむらくはもう少し、ひねりがほしかった気はするが、オーソドックスであるからこそ、伝えられるものもあるのではと気を取り直なおした。

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    2009/08/16 11:28

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