実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/12 (木) 18:30
18:30『食物園』20:00『衣人館』の順で観劇。牡丹茶房らしいダークなストーリーは面白く、最後まで緊張感を持って観られる。『食』75分/『衣』70分。
どちらも対人コミュニケーションに困難を抱える女性の物語。『食』は、ダウナー系の、誰の役にも立てていない、と自己肯定感の低い女性が、おそろしいモノに自分が「役立てる」ことを見つける話。実際にもありそうな話だと思わせるほどに演じる二ツ森が巧く、そして、おそろしい。『衣』は、自分の考える「カワイイ」を追求するために自己主張強めで困難を抱える女性が主人公。信じていたものが崩れる中で、あくまでも追求する姿を石澤が痛々しく演じる。どちらも心が大きく動かされる舞台である。
細かい仕掛けから、これが同じマンションの3階と4階の出来事だと分かったり、小道具で両話を繋いだりするなど、烏丸らしい緻密な脚本は感動的だ。
かなり短い休憩を挟んで交互に上演するわけで、両話に「???」役で出演する赤猫座は本当に大変だと思う。逆に、「???」が出会った2人の女、的な見方もできるのかと思う。2人とも「???」に心を許すのは、社会的な関わりがないからだと言えそうである。赤猫座ファンは『衣』では上手に座ることをお薦めする。
どうでもいいことだが、当パンのルビの振り方が見事、と言うか、私の好みと完全に一致していて、難しいことではないが巧みな作り方に感激した。
2022/05/13 13:38