実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/05/04 (水)
新国立劇場にて2022年版のミュージカル『アニー』を観劇。
2019年以来となる新国立劇場での本編複数回上演。オーケストラによる生演奏、ダンスキッズらも復活し、席数制限のない客席を見ると、少しずつ“かつての日常”が戻って来ているのを体感します。
『アニー』は今年で37年目の上演という歴史のあるミュージカルで、個人的には2009年・2010年と連続して拝見し、その後少し空いてしまったものの、2018年からは毎年観劇中。“何回観ても楽しめる”というのはまさにこのようなときに使う言葉であり、今年は初めてモップ、バケツの両方のチームを拝見させていただきました。それも同日に連続して。
2022年のアニーはともに小学5年生の山崎杏さん、山本花帆さん。毎年毎年よくもこう素晴らしい人材が出てくるものだなと感心してしまうくらい今年のアニー達もお見事であり、結論からいえば、これはモップチーム、バケツチームの両方を観るべきだなと、新たな気付きがあった公演となりました。それくらい2人のアニーが個性的なのです。同じ役でも演じ手によってガラリと雰囲気が変わるとはよく言われることですが、実際にこうして、しかも、立て続けに観ることによって特にそれを感じました。歌唱だけでなく、ちょっとした仕草、アドリブなどの違いも楽しめましたし、2匹のサンディさんが見られたのも良かったです。サンディがアニーの呼び掛けに応じて走って向かうシーン、、。人間と犬が一体となって一つの舞台を作り上げているのが感じられて、とても良いのです。山崎さんの少しハスキーな歌声、山本さんの透き通った歌声も魅力的でした。ウォーバックス家で「♪ここが好きかもね」と歌うシーン、両親が残してくれた大事なペンダントだと口調を強めるシーン、ウォーバックさんと「♪2人でいればいい」を歌うシーンなど印象的な部分を挙げたらキリがないです。
昨年までの藤本隆宏さんが演じるウォーバックスはなかなかのハマリ役だと思っていたので、このキャスト変更にも注目していましたが、葛山信吾さんのウォーバックスも新鮮で良かったです。ハニガン役のマルシアさんは今年はコミカルに演じるシーンが増え、オーバー過ぎるリアクションと相まって一段と存在感が増していたように感じました。鹿志村さんはこの作品に欠かせないキャストさんのお一人だと思います。今年も安定安心のキャスティングでした。
休憩無しの1幕構成も良いですが、カットされてしまっているシーンもあるのでやはり2幕構成が理想。また、以前のような大型のサンディもまた見たいところです。次回も期待しております。