実演鑑賞
満足度★★★
シリーズ「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」の第2弾。第1弾と違ってすべてが明瞭である。でも無駄に長い(泣)85分+15分休憩+75分
警備員のジェフ(中村蒼)と監督役の上司ウィリアム(板橋駿谷)、ウィリアムの友人の警察官ビル(瑞木健太郎)と試用期間中の新人女性警官ドーン(岡本玲)の4人のお話。弟が犯したらしい殺人事件のアリバイをウィリアムが偽証したことで4人は複雑にそして歪に絡み合って行く…(CoRichの説明はもう少し詳しい)。
マイケル・サンデル入門のようなジレンマがテーマ。本来一人の問題だが、4人が雁字搦めになる状況を作り出す作者の力量は素晴らしい。そうなのだけれど、そのための準備に全体の4分の3の120分が費やされる。途中休憩ではまだまだ話が見えず、帰ってしまおうかと思うくらいだった。
4人の俳優さんは皆さんうまい。とくにジェフ役の中村さんの軽薄でしつこい演技は素晴らしく、そのために私のイライラが高じてしまう。血圧が高い人(含私)は観ない方が良いかもしれない。これもまた困ったジレンマである。
先日読んだ若い作家の小説は余計な記述が一切なく何とも味気無さを感じたが、この戯曲はというと半分は無駄でできている。その無駄と見える部分を楽しめるようになれば私も成長したということになるのだろうが今のところは「全体で120分以内におさめてくれれば、もっとすっきりと鑑賞できたと思う」となってしまう。