フェアウェル、ミスター・チャーリー 公演情報 theater 045 syndicate「フェアウェル、ミスター・チャーリー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     ‟かながわネクスト“と名付けられた県内拠点の若手・中堅劇団にStuddio HIHARIでの上演機会を提供し支援してゆく取り組みだから地元色は良く出る。

    ネタバレBOX

    今作でも登場するオーオカ川(大岡川)は井土ヶ谷、小金町、桜木町界隈を流れる河川で場所によっては桜並木も見られるが、今作に登場する映画館はかつてはシャブ銀座と呼ばれた黄金町の大岡川縁に立つ小さな映画館であるから往時のことを考えれば溝臭くても自然である。こんなことも含めてハマで遊んで居た体験を持つ者にとっては、黒船来航以来のハマと米国との歴史や占領下以降の米兵との関係を含め合点のゆく所がたくさんある作品だ。
     板上は中程からホリゾントに掛けて平台を先ず1段、奥は2段と重ねてある。つまり板を基準に3段階になっており、移動式の大道具(窓枠や壁、カウンター等)を適宜配置して舞台美術を構成。シーンに応じ手早く的確に配置されるので、全く観劇の邪魔にはならない。出捌けは下手、上手に2カ所づつ、客席通路をも利用するので都合5か所。
     時折エキセントリックな単語・表現等が出て来るが、アメリカという国がその固有の歴史の中で基本的に暴力によってその理念や支配構造を護ってきたことを鑑みれば納得のできるものである。惜しむらくはこのことの深い意味合いを直接的な台詞で表現するのではなく、台詞を通じて示唆し浮かび上がらせることができていれば更に素晴らしい作品足り得たという点である。その為には、劇作家が曖昧化を避け更に現実を内省化する必要があろう。大変な作業ではあるが是非ともそのような視座も持って欲しい。

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    2022/04/30 10:05

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