実演鑑賞
満足度★★★
第一幕85分休憩20分第二幕60分。
チャプスイとは、アメリカでの中華料理の代名詞となった人気料理で日本で謂うところの八宝菜。いろんなものを炒めて餡掛けにしたもののこと。
1949年中国共産党が中華人民共和国を樹立。非共産政党を弾圧、独裁を強めていく。今作の主人公達は虐殺を怖れてアメリカへと密航。事実、大躍進政策によって1958年から1965年の間に4500万人以上が餓死。1966年に起こった文化大革命では、死者1000万人〜2000万人以上と言われている。
『フラワー・ドラム・ソング』は、1957年中国からの移民C・Y・リーにより小説が出版されベストセラー、1958年ミュージカル化、1961年映画化。中国移民の老人がアメリカ文化を拒絶して暮らしているも、最後は受け入れていく話。2002年かなり改変したリメイク作品が今回のもの。
1960年父の形見のフラワードラム(花柄の鼓)を持ってサンフランシスコのチャイナタウンにやって来たメイ・リー(桜井玲香さん)。客の入らない京劇の劇場を経営している父の旧友ワン(石井一孝氏)とその息子ター(古屋敬多氏)のもとへ。メイ・リーはターに恋するも、ターは看板ダンサーのリンダ(フランク莉奈さん)に夢中。そこに敏腕エージェントのマダム・リャン(彩吹真央さん)がやって来て劇場をナイトクラブに改装してしまう。
石井一孝氏と彩吹真央さんがずば抜けている。二人が歌い出すと劇場の空気が変わる。流石の腕前。桜井玲香さんも歌はメチャクチャ上手い。ひたすらクラブでのショーが続く感じなので、派手に生バンドが欲しいところ。ステージの合間にエピソードが展開する位で丁度良い。一日三回公演、フランク莉奈さんが連発する「Fan Tan Fannie」が盛り上がる。ゲイの衣装係ハーバード役泰江和明氏は場内案内もその美声で見事にこなす。