実演鑑賞
満足度★★★★★
大阪で2019年に上演された再演猩獣ぶりに壱劇屋のワードレス舞台を観てきました。
全編セリフなしの殺陣舞台ですが、セリフが無かったことを忘れるほど物語も登場人物の感情も伝わってきますし、むしろセリフが聞こえてくるような感覚さえあります。
上演時間80分くらいのうち、本当に8割くらいずっと殺陣アクションで構成されており、迫力満点でした。東京支部の作品は暫く配信や映像で観劇していましたが、目の前で繰り広げられる、こちらへ飛び出してくるかのような殺陣も、ライブのようなズンズン響く大きめの音響も、実演鑑賞ならではで興奮しました。
また、各キャラクターが衣装なども含め魅力的でした。ただ焼き直しで再演するだけでなく、演じるキャストによって演出を変えるなどして最大限の魅力を引き出していると感じました。
演出もチャレンジングで面白かったです。少し危なっかしく感じるところもありましたが、練度が低いというわけでなく、非常に難易度の高いことをされているためだと思いました。
「猩獣」は「独鬼」などの他のワードレス作品に比べてストーリーはシンプルですが、それでも殺陣・表情・動き・声から伝わってくるもので心が熱くなり、最後には泣いてしまいました。もう何度も観ていて展開も結末も知っているのに、それだけ心動かされる作品でした。