アルバトロス 公演情報 ホチキス「アルバトロス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    確かに濃かった。「笑いのハードル」を自ら高く設定してしまったのかも
    だけど、あのフライヤーのイラストから想像していたのは、もっともっと濃いもの(笑)だった。
    いい感じに笑いもあり、役者たちの熱演は好印象。役者の表情を観ているだけで楽しかったし。
    上演時間が少々長い(2時間少々)のにもかかわらず、舞台に集中して楽しく観劇できた。

    ネタバレBOX

    フライヤーの「薔薇を咥える男たち」・・・で、どんな内容かと思ったら、漫才の相方の話。
    無理矢理決められた相方のサラリーマンと、相方に逃げられた漫才師の、その相性がいかに良いのか、あるいは良くなっていくのかが、この舞台の決め手だったと思うのだが、それがイマイチ感じられなかった。そこはもっと強く欲しかった。
    また、例えば、「漫才の相方はこうである」というこだわりみたいなものも欲しかった。

    今まで逃げた相方たちが悪夢の中で現れるのであれば、その相方たちとの違いや、男女関係のように、もつれて絡まり合うストーリーもあったのではないだろうか。つまり、フライヤーの薔薇を咥える男子たちのような、ちょっと危ない関係に陥りそうなものだ。

    キーポイントとなる漫才は、最初は、それなりにテンポがあって面白いと思ったのだが(舞台の漫才が終わったときに、観客からも思わず少しだけど拍手が起こったりしてた)、ラストの一番大事な漫才が、意外とありきたりでそれほど面白くなかったのは残念。確かに息は合っているように見えたのだが。

    全体が1週間の話であり、漫才コンビの関係が徐々に良くなっていく様とともに、漫才も面白くなっていくようにならないとダメであり、そういう意味でかなり高いハードルを自ら課してしまったようだ。
    最初の漫才が面白ければ、観客は、ラストにはもっと凄いものを期待してしまうのは当然。

    例えば、逆に、漫才は下手だけど、とにかくコンビの相性が良く、「俺たちはこれでやっていくんだ!」という強い意気込みが最後に示される、という方法もあったのではないだろうか。
    これからどうなるかわからないが、家族も周囲のみんなも応援してくれる、やる気だけは満々、とにかく2人で新しい人生をともに進もうという前向きな話だ。1週間促成のコンビの話だからこのあたりが妥当だったのでは。
    つまり、「漫才」の話ではなく、あくまでも「相方」の話として。

    いろいろな要素、キャラクターがたくさん散りばめられていたのだが、それが集約されることもなく、別々のエピソードとして走っていたのも少々残念。
    特に、サラリーマンと奥さんとの会話がかなり面白かったので、これが漫才または物語にも活きてくるのかと思うとそうでもなく、そこはもったいないと思った。
    ただし、奥さんもそうだが、女性ディレクターの独特のテンションもとても面白かった。

    ドタバタでいくのであれば、もっと「相方探し」に固執して、例えば、悪夢の中の元相方たちも含めて、舞台に出てくるすべてと組んでみる、なんというムチャさでも良かったように思える。

    ラストの「どっきりオチ」は意外とつまらなく、もうひとヒネリ、というかもうひと笑いほしかった。どっきりで始まった話だから、どっきりできれいに終わらせるということなのかもしれないが、最後は「きれいに」ではなく、どんな手を使っても「笑わせて」終わってほしい。また、その後の酔っぱらってみんな寝ていて、というのも、すっきり「オチ」のようにしてあればいいのだが、そうではなかったので蛇足だったかも。
    最初の物語の滑り出しがかなり面白かっただけに、残念だった。

    そうそう、前作でも感じたのだが、前作よりもサイズの小さな会場でありながら、独特のホチキス色の強いセット(斜めだったりする)の使い方はやっぱりうまいと思った。

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    2009/07/27 01:24

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