実演鑑賞
自分にしては珍しく早々とチケットを取っていた公演。が、そういう時に限って職場で足止め、芝居の半分近くを見逃し、チケット代を厭わずリベンジの当日券に並ぶも果たせずであった。
リピートしても良いと思えるだけの緊迫した後半の芝居であり、大略この夫婦と家族の問題が見えては来たのだが、た組のKAAT公演が初であった作演出の作風と実力をジャッジするには穴が大きい。
舞台のあれは黒木華か、そうだっけ、うむナチュラリズムな芝居は秀逸だな、お、平原テツやっぱいい。あの声は上田遙。朝ドラで見たばかりの安達祐実は泣いてるんだかコメディ色出してるし(朝ドラで最初見せた大根女優を再現?)、芝居の全容を想像するも参照が先般のKAAT舞台のみでは類推は及ばずである。
細密リアリズム芝居と見た自分には、心が離れている相手から理詰めで復縁を迫られるラストの演出は、そこへ至る緻密に構築した芝居を想像させ、やはり是非とも最初から観たかったな、とそこへ戻ってくる。