実演鑑賞
満足度★★★★
現代座会館なんて渋い会場でやる劇団って・・と興味を持った前回公演では観劇果たせず、ただ実績ある俳優、割としっかりした脚本、という心象を持った程度だったが、この度吉祥寺シアターにて初観劇。敗戦の傷も生々しい占領下のある小学校の教員室で、GHQからの調査員(女性日系米国人)の訪問を受けた日の数時間が描かれる。
公職を追われ、荷づくりをする教員と、新体制下での教員として残る要領よく立ち回っていそうな教員、その狭間で苦しむ教員、という具合に「戦争責任」のテーマが冒頭の会話から横溢する。だが教員のキャラが上手く描き分けられ展開の運びもうまい。外部の者として女性調査員の他に、損壊した校舎を普請のため学校に縁のある大工が出入りし、スパイスを効かせている。ほぼワンテーマにしては面白く見せつつ本質に触れる濃い脚本である。