実演鑑賞
満足度★★★
『ドント・コールミー・バッドマン』とか『だからビリーは東京で』にグッと来た人には通じるものがあるかも。
「痛みと憂いの雨が降り続け、何処もかしこもひたひたと浸水し水が溢れ返っていくようだ。これ以上、水嵩が上がればもう息が出来なくなる。このままでは俺は溺れてしまう。助けてくれ。」みたいな話。
学校でも家でもひたひたと水が迫って来る。何処にも逃げ場はない!そんなリアルな感覚は皆が思い当たるもの。
主演の平井泰成氏を見ていて、令和のカリスマ(依代)のようにすら思えた。amazarashiの秋田ひろむのように、何かを象徴しているのか?この人を使って今何を発するべきなのか?『コインロッカー・ベイビーズ』のハシのように「これが僕の新しい歌だ」なんて決めて貰いたい。
初期の石井聰亙とか森田芳光の感覚。高三で学校に通えなくなった主人公はフリースクールに転入。そこは通信教育と通学が半々、担任(鳥居志歩さん)に誘われ演劇部に入ることに。犬のジョン(日下麻彩さん)が語り部となり、彼のゴボゴボと水の音に苛まれる青春が語られる。
前半は凄く好き。