皓白の麗ら 公演情報 早稲田大学劇団木霊「皓白の麗ら」の観てきた!クチコミとコメント

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    満足度★★★

     皓白:“こうはく”と読む。輝くような白さ、を表すが舞台美術が白ベースであり、登場人物名がラテン系の名、ブランカを意味するのであれば、当然白をイメージさせるが、無論ことほど左様に物語の内容が単純だとは思わない。

    ネタバレBOX

     板手前センターに半円形の平台、半円の頂点に接するように白い緞帳。緞帳が開くと奥には90度の円弧に沿うように高さを増す小型平台が3個置かれ4つ目は腰掛けに丁度良い高さのベンチ様のオブジェ。この奥に紐を用いて形作られた樹木1本。樹木の手前に樹を挟むように設けられた衝立各1、奥に幅広の衝立を設え出捌けを設け袖にしてある。この左右に天井から床迄下がる紐状の幕、樹木脇空間の2カ所及び左右の幕が出捌けに用いられる。中空になった箱2つ、これが診察の際の寝台になったりシーンによって喫茶店のテーブルになったりと様々に用いられる。舞台全体が白系で統一されているのは、唯一の男性登場人物の名がブランカである所にも関わっていると思われる。
     登場人物は男1人、女5人。設定は病院であり男は記憶喪失症の設定。院長・社長への出世競争や医師としての優秀性競争等「秀才ぶり」競争のこれ見よがしな表面性の厭らしさが、所謂勝ち組VS負け組的勝ち負けや、ブランカの誕生日を祝う儀式の表層性と普遍性を求めなければ解決し得ないアイデンティファイ問題との齟齬と絡めて展開される。衣装は男女とも白ベースなのは病院という設定の為と捉えることも可能ではあるが、上で指摘した事以外には、余り深読みをする必要は感じない。但し表層しか見ることができぬような状況に現代日本の若者が置かれているのだとすれば、その根拠律を欠く存在感覚の齎す不如意の不安・不定感覚のドライタッチの不如意に煮え切らない漠然たる不安定性を感じ、漠たる不安を決して払拭し得ないであろうことは想像がつく。登場人物の設定中に病院の医療補佐等もする双子の女子が登場するが、正規の医師と為す所が大して変わらないのは示唆的である。

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    2022/04/13 21:11

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