ツインテールドールハウス 公演情報 四日目四回目「ツインテールドールハウス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    メルヘンチックな光景の中に観念的な物語を紡ぐ、そんな奇妙で独特な世界観。不思議と観入ってしまう公演である。女生徒4人と男生徒1人による、高校二年生三学期の話。
    自分探し、それを或る媒体を通して確認する。女生徒の性格付けはチラシ 説明にあるが、女性らしい(偏見かもしれないが)特徴をもって表すところも面白い。それが物語の肝になるという巧さ。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    舞台セットはメルヘン的な絵柄(花、リボン、額縁に蝶々、タンス等)の光景幕、上手にピアノ、中央に新聞束の台があるだけ。

    登場人物は、花の名が付いたかわいらしい名前。完璧主義者・林桜子(金曜日のアイ サン)は、ツインテール。林桜子の親友・加藤桃(鈴木彩愛サン)は勤労学生、髪型はポニーテール。優等生・梅澤静香(井澤佳奈サン)は音楽好きで、ショートヘア。愛川家長女・愛川杏(水落燈李サン)はお嬢様で おさげ。4人のヘアースタイルは夫々の性格を表し、髪型を変えることによって自分自身も変わるような。自分探しへの切っ掛けは、自称アマチュアカメラマン・西海渡(越石裕貴サン)が、桜子へ写真モデルを依頼したため。それも人形の格好という変わったもの。その撮影を密かに覗いていた杏も被写体として撮影されるが…。

    人形の姿をすること、それは今までの自分と違う感覚を目覚めさせた。本当の自分とは という模索が始まる。桜子は、外見=体(見えるもの)と心(見えないもの)を見つめることによって、今まで、こうしなければいけない、こうあるべきだ、といった枠、固定観念を自分で築き生きてきた。また杏は、家族からの期待など、知らず知らず意向に沿うといった不自由な生き方。凝り固まった杏、その面倒を見る桜子。写真の被写体になることで知った本心、同時に髪型を変える(おさげ を下す)ことで、心身ともに解放され自由へ…。そんな少女の揺れる気持がメルヘンチックな光景の中に描かれる。外観の浮遊感に比べ、内容は心の彷徨といった硬質な心象風景。そのアンバランスな公演は不思議と魅力的であった。

    桜子は、自分のアイデンティティを喧伝するよう、新聞束の上に乗り拡声器を使って叫ぶ。一転、モデル(人形)姿は、フリルの付いた可愛い衣装。演出は硬軟(柔)といった対照を意識した工夫。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2022/04/11 15:12

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  • タッキー様

    ご来場頂きありがとうございました。
    詳しいご感想も書いてくださり嬉しいです。
    次回公演も楽しみとのお言葉励みになります。
    今後ともよろしくお願い致します!

    2022/04/12 08:15

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