貧乏物語 公演情報 こまつ座「貧乏物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    24年ぶりのこまつ座での再演。初演は見逃したので、舞台で見るのは初めて。小菅で「お務め」中の河上肇に転向を促す判事、特高、内務省に対し、女たちが肇に転向を進めるべきか否かを議論する。そのときの次女ヨシ(安藤聖)の、自らの体験から絞り出すような訴えは圧巻だった。ヨシの唯一最大の見せ場である。
    全1幕3場(だと思う)のこれが2場。非常に深刻で深い場面だ。

    1場は明るく爆笑場面が多々ある。ここで輝くのが、元女中役の枝元萌と、女優の卵役の那須凛。この二人の存在には、今オーラが出まくっている。すばらしい。ただ、井上芝居としては、二場、三場に遊びが少ない。休憩なし2時間というコンパクトな戯曲になっているのも関係する。

    井上ひさしはヨシを主人公に書くつもりだったようだが、ヨシの出番は少ない。河上肇の妻のヒデも、重石のような役で、見せ場は一番少ない。でも、この二人がこの家の中心なので、安定した筋になる。枝元や那須が明後日の方の話をしていても、軸はぶれないので安心してみていられる。井上ひさしの評伝劇以外は、考えてみれば群像劇で、この人が主人公と決めがたいものがある。「きらめく星座」などそう。

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    2022/04/11 11:35

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