火學お七 公演情報 害獣芝居「火學お七」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    もっと近くで観たい!
    害獣芝居の「第参回 岸田理生アバンギャルド・フェスティバル2009」参加作品。

    ネタバレBOX

    今まで何度か害獣芝居の公演を観てきたが、今回の劇場はでかくて、客席もちゃんとした劇場の客席。
    今までルデコだったり野外に椅子とかで観てきたので、今回の「劇場の作りをした建物での害獣芝居」は私にとっては初めての体験だった。

    害獣芝居は以前観た時よりもはるかにエネルギー量が増し、統率も取れ、今まで観た中では最高の出来だった。のだと思う。
    のだと思う、というのは、客席からそれが感じ取りにくかったから。
    害獣芝居独特の身体表現や台詞、空間の使い方には一層の磨きがかかっており、激しい稽古の様子が肌で感じられる。

    しかし、どうも今回の客席、距離を感じる。害獣の熱さ、勢いが、よく冷えた劇場の空気で客席に届くまでに新鮮さを失わせてしまっているように思えた。
    役者と同じか、椅子一つ分くらいの地平で観てきた今までの害獣には、肌で感じる凄味があった。
    しかし今回の、客席から舞台を見下ろす形の客席が、私にはどうもしっくり来ない。前から5列目くらいの端っこで観てたので、観てる途中に「正面で観れば良かった」「最前列で観りゃよかった」と度々思った。害獣のエネルギーが、客席3列目くらいの地面にめり込んで見えるように思えたのだ。
    そこが今回、いい芝居のはずなのにいまひとつ物足りない、という私の感想の要因に思える。
    客席の階段を使った部分もあり、全部が全部物足りなかったわけではないし、鳥肌の立つ場面もあった(私は芝居にシビれると鳥肌が立つ)。

    しかし今回、害獣の「空間」を肌で感じられなかったのがなにより残念だった。
    わかる人にしかわからん例えをするなら、ガンダムGP-01ゼフィランサス(地上戦用)が、フルバーニアンに換装する前に宇宙に出て、宇宙の海で溺れるのを見た感じ。

    ともあれ、あの大きさの劇場で多くのお客さんが害獣芝居を観られるのはいい事だ。
    あの大きさに満ちる害獣芝居が楽しみである。
    見る度に力を増す害獣芝居。だから次回も観に行ってしまうんだろう。

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    2009/07/17 01:09

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