実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/04/01 (金) 19:00
タイトルからして大人気を博し、映画も大ヒットを飛ばした漫画『るろうに剣心』からあからさまにパロっていて、且つ、シモネタ臭がプンプンする雰囲気に興味をそそられ、何とも胡散臭く、怪しく、しかしそれでいてしょうもない雰囲気のチラシに思わず魅入り、興味本位でいつの間にか劇場に足を運んでいた。
前説で出てきた際の第一印象は、生真面目そうに見えた役者が、前説を話だしとたんにぼやき節で、のらりくらりと脈絡なく話しながら、さり気なく客いじりを徹底的にしつつ、急に自分たちの劇団を卑下したり、態度がデカくなったり、図々しくなったりと目まぐるしい変化に飛んでいて、そのギャップに脱帽し、気付いたら私自身も大笑いしていた。この俳優、絶対に人を笑わせる際に長けていると直感した。
本編が始まっても、いきなり過激な下ネタ笑いが連続して起きたり、実在人物の尾身茂がただの変態スケベオヤジに描かれ、内閣府コロナウィルス対策課を略すとチンコロになるだとか、菅義偉前首相のいかにもやる気のなさそうな、それでいて人を苛立たせる特徴的な棒読み音声を途中で流して、すぐにもう良いと言ってドアを閉める動作を役者がしたり、石破茂が権力と金を傘に来て、女を侍らすセクハラ野郎として描かれたり、ひろゆきがフォロワー数で稼ぐことを極端に誇張してやゆり倒す笑いなど、政治ネタや社会問題、芸能人の不倫ネタなどを徹底的にイジり倒し、皮肉り、乾いたブラックな笑い、おミクロン株をも笑いのネタにし、余りにくだらなく、しょうもなく、意味もない笑い、下世話で品のない笑い、佐藤健主演のドラマや藤原竜也主演の映画『24時間』などのドラマや映画のパロディ、アニメ『ワンピース』、『ドラゴンボール』、ゲーム『マリオ』などのタイミングのズレた笑いや下世話な展開含めた笑い、自分の劇団をこき下ろす過剰な自虐笑い、まじめで感動的なふうに見える場面や緊迫したアクション場面で、急に下ネタや現実の劇団の苦境、上演時間を持ち出したりでの赤裸々で現実問題を突きつけるハードでシビアな自虐笑い、可愛らしい女の子が急に豹変しキャラが変わることによるギャップ笑い、さらに2部のレビューも含めて、昔から今のなにわ男子やMATURI NAINなどのアイドル、山下達郎などのアーティストの曲さえも下卑て、くだらないノリになっていて、笑いが連鎖し、飽きることなく抱腹絶倒、お腹がよじれ、胸が張り裂け、眼玉が飛び出、顎が外れ、耳が聴こえなくなるんじゃないかというぐらい大笑いし、笑い転げ、全篇笑いっぱなしで、日々のストレスやもやもやしたものも吹き飛んでスッキリした。笑うことは健康に良いというが、こんなにも楽しく気持ちの良いことなのか改めて実感した。それにしても、コメディと銘打った劇とはいってもここまで観客をさり気なく巻き込み、全篇に渡って笑わせてくれる劇なんて未だかつて、あんまり出会ったことがなかったので、貴重な体験ができ、役者と観客との距離感が完全に取っ払われていて安心し、これぞ演劇だと感じた。
木村拓哉や佐藤健、ミュージシャンの布袋寅泰に似た役者が主役や主演級で出ていたが、徹底的に見た目の第一印象と実際とにかなりの落差を出し、下世話な笑いやくだらない笑い、ドタバタギャグと立て続けにギャグを連発して、キャラを完全に崩壊させていて、人を笑わせるセンスを感じ、女優の人たちもそれに引けを取らず、下ネタを、男性の役者に負けず落とらずで、1ミリの恥じらいも見せず、やりきる辺り、プロの役者だと感じ、更にアドリブをいきなりぶっこんでも、男女問わずの役者ともブレずに、コミカルな掛け合いをしたり、歌のシーンでも上手い役者が結構いたりというのを観て、瞠目し、感心してしまった。