上海異人娼館-チャイナ・ドール - 公演情報 青蛾館「上海異人娼館-チャイナ・ドール -」の観てきた!クチコミとコメント

  • デカダン
    寺山修司が亡くなったのが1983年。その2年前に作られた映画「上海異人娼館」をもとに、岸田理生が今から20年ほど前に構成・脚本を担当した舞台劇。
    私が芝居を見始めたのは寺山の没後だし、岸田理生が関わった芝居を見るのもこれが初めて。古典を見るときのように、予備知識ゼロで見るのはなかなかむずかしい作品で、見ているうちにもその時代背景が気になってくる。
    映画はポーリーヌ・レアージュの「O嬢の物語」の続編を寺山が上海を舞台に置き換えたものだという。城館で繰りひろげられる退廃的でエロチックな世界というのは、ジャンルとはいわないまでも、映画や文学作品の系譜としてはそれなりにある。王侯貴族による酒池肉林の宴なんてのがそもそもの始まりではないだろうか。

    ネタバレBOX

    時代は1920年代。場所は上海の租界にある娼婦館。そこに新顔としてやってきた少女が目にする、妖しくもおぞましい人間模様。
    娼婦館の女主人は黒蜥蜴という。美輪明宏主演のアレを思い出したけど、そもそも両者に繋がりはあるのだろうか。女主人が銃弾に倒れたあと、少女がやがて2代目を継いで幕切れというのが面白い。
    娼婦たちのエピソードには寺山らしさがのぞいていた。娼婦と客との関係は、一種のRPG(ロール・プレーイング・ゲーム)だなと思う。

    個人的には、こういう時代がかったものを、いかにも凄みをきかせた演技・演出で見るのはあまり好きではない。

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    2009/07/12 12:41

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