実演鑑賞
満足度★★★★
観応え十分。お薦め。
自分に引き寄せず、公演の世界観にどっぷり浸りたい。しかし正義とは何か や情報配信等の要の問題については、自分で考えることが大切。それは終盤の違和感、もしかしたら観客に委ねた結果のようにも思えるから…。
ネットニュース配信を行っている、大手出版社の子会社が舞台。新人記者の成長を通して描いた「誰のためなのか、正義の情報」とは何なのか、多角的視点で捉えた骨太作品。よく言われる 真実は一つではないが、事実は一つ。物語は、多くの主観や客観(事件)を通して、伝える上で大事にしたいことを浮かび上がらせる巧みな構成。また関係ないような描写が、実にさり気なく挿入され、成長する姿を映し出す。
子会社でネットニュース配信会社という設定の妙、さらにサスペンスミステリーといった描き方が観客の興味を惹きつける。ただ先にも記したが、終盤はそれまでの「理」の世界が「暴」へ一転する、その荒い展開が少し勿体なかった。
(上演時間1時間50分)