耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    3/27(日)を持って無期限活動休止になる『ボクラ団義』の暫定最終公演、日替わり二本立て。
    『ハンズアップ2022』

    海辺の洋館、登場人物達は気付くとそこに居て強制的にデス・ゲームに参加させられる。全員一部の記憶に靄が懸かっており何かを忘れさせられている。落ちぶれた人気アイドル(平山空さん)とマネージャー(高橋雄一氏)、親友を殺してしまったボクサー(沖野晃司氏)、声の出なくなったヴォーカル(田中彪〈ひょうが〉氏)、リズムを刻めなくなったベーシスト(毎熊〈まいぐま〉宏介氏)・・・。少し、映画『人狼ゲーム』シリーズに似た設定。

    ネタバレBOX

    沖野晃司氏がボクサーの肉体に作り上げてきて精悍。平山空さんは松浦亜弥を彷彿とさせるアイドルムーヴ。片山陽加さんはベリーショートに。ヒールの外科医役友常(ともつね)勇気氏が物語を回していく。虚言癖の病に取り憑かれている緑谷紅遥(くれは)さんが可愛かった。

    『ボクラ団義』、ざっと数えて今まで9本観ていた。なんだかんだ楽しませて貰ってきた。独特な設定に無理のある流れ、やたら説明口調で押し切る展開・・・、いやそれも含めて好きだった。地に足の付いた作劇では辿り着けない地平へと、思い切り跳んだダイナミズム。70年代東映のプログラム・ピクチャーを思わせるアイディア満点、出来赤点の強味。(悪口ではなく褒めている)。結局、深作欣二なんかもそうだけど狂熱のシーズンがあって、熱にうなされて闇雲に何かに手を伸ばした日々。碌な作品は残っていないのだけれどあの頃のような熱情に滾る馬鹿げた作品はもう二度と作れやしない。理性や計算で賄えるものではとてもなかった。今になってみればどうやって創ったのかも分かりゃしない。それはまるで『一瞬の夏』のような煌めき。
    久保田唱氏作品へのシンパシーは、藤子・F・不二雄(藤本弘)マインドを根底に感じるからだと思う。

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    2022/03/23 06:11

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