実演鑑賞
真壁茂夫のダンス(と言うか、身体パフォーマンス)の基本的な稽古と、それを宮沢賢治の世界に援用したパフォーマンスを観客参加を入れながらつないだ1時間45分ほどの舞台。宮沢賢治の世界は散々上演されているが、今回は宮沢賢治はゲイでその抑圧からさまざまの作品を生んだという解釈のもとに作られた由。しかし、佐々木敦による演技はあまりそこは表現されていないし、野沢健を出演させている意味もよく解らなかった。セリフがあるのに、それをスライド字幕で追うのも舞台を拡散するようで意図が分からない。観客参加も肯けなかった。ひところに比べて、演劇界のダンスへの関心はずいぶん薄れているが、椅子に座るにも身体表現だというのは当然の基本的な主張である。