水の行方、夏の端 -みずのゆくかた、なつのはな 公演情報 カオスカンパニー「水の行方、夏の端 -みずのゆくかた、なつのはな」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    舞台は未来の地球、遥か彼方の星から永遠に逃避行の旅を続けている女性型アンドロイド(瀧澤利恵さん)とその教育係(トモリト・シユキ氏)。土砂降りの雨の中、行き倒れた二人に小さな町の住人(たまさんとあずきさん)が手を差し延べる。今では世界の果ての誰にも興味を持たれなくなった寂れた惑星、地球。妙な電波が受信され、住人の二人(太田篤実氏〈脚本も〉と黒柳寿弥氏)は解読を試みている。

    旧ソ連圏のSFっぽい静かなムードの会話劇。選曲がなかなか凝っていて、急にメタルが轟いたりする。小道具のアンドロイドへの通信機が、分厚いiPadに各色の光がピコピコするレトロ風味でカッコイイ。

    ネタバレBOX

    かつて地球はナノマシン(超極小機械)に自己増殖機能を付けたものを宇宙開発に運用したが、グレイ・グー(無限増殖による暴走)を起こし制御不能となった。その後ナノマシンは自己進化を遂げ、新生物として人類とは別の方角へ向かったようだ。
    姉を亡くした天才科学者(舩津健司氏)はAIに魂を宿らせようと研究、友人にその子の教育係を頼む。その危険な研究は上層部に察知され、全てのデータの破棄を迫られる。アンドロイドを連れて教育係は宇宙の果てから果てへと逃げていく。

    ラストは教育係が死に、アンドロイドは新生物となったナノマシンにいざなわれ、未知の世界へと旅立ってゆく。

    話は悪くないのだが、詩情が足りない。歌で言うなら、ガッチリと論文のように書き込まれた歌詞に見合ったメロディーがない。もっとタルコフスキー的に宗教的暗示を散りばめても面白かったかも。

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    2022/03/06 17:06

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