ボス・イン・ザ・スカイ 公演情報 ヨーロッパ企画「ボス・イン・ザ・スカイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ヨーロッパ企画って、そこに居るだけで、すでに楽しい空気を感じてしまう。
    期待して観に行ったら、期待どおりだったという作品。
    そのあたりが(たぶん)ヨーロッパ企画のセンスなのかもしれない。
    円形劇場という形もうまく活用していたし。
    (前回『ゴーレム』ではセットが凄いことになていたので、そっち方面でも期待していたが、意外と質素。ただし、意味はあるし観やすいのは確か)

    話も演出も舞台装置もまとまりがきれい。

    今年の年末にかけて予定されている映画や舞台も今から楽しみ。
    そして、東京での客演もいろいろ予定されているようだ。

    ネタバレBOX

    SF的ともファンタジー的とも言えるような、ドラゴン退治を職業とする者たちの話なのだが、もうその前提は、何でも良くなっている。
    ドラゴンが現れたのは給水塔らしき塔なのだが、これが鉄塔であれば、電気会社の職員でもよかったし、円形のコンビニでもよかったのだ。
    とにかく、その仕事があることが「日常」であるから、その日常の、ある日を切り取って見せました、という感じがとてもいい。

    それぞれの役割が安定していて、人が生きている。その人は、確かにそうしゃべりそうな雰囲気で、そうしゃべってくれるので、笑えるし楽しい。
    まるで、メンバーがそこに居るだけで、そこに楽しさがあるようだ。

    前作の『あんなに優しかったゴーレム』でも、ゴーレムがいることが日常で、その日常が描かれていたし。『昭和島ウォーカー』ではあんな展開になっても日常の延長線上にあったのだし。

    「日常」となってしまったら、頭の上にドラゴンがいようとも(ま、グリーンドラゴンだから安心ってこともあるけど・笑)、まあ、あんな感じのふつーの会話だろうし、ドラゴンよりも「非日常」なロックフェスのほうが気になるに決まっているし。

    だから、ラストもふつーにふわっとした感じで終わるのが適切なのだろう。
    とは言うものの、ラストは『昭和島』ほどではないにしろ、『ゴーレム』レベルのふわっとさは欲しかった。

    でも、ひょっとしたら、ヨーロッパ企画が目指しているのは、SF、ファンタジーの要素を使って展開する小津の世界だったりして。

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    2009/06/26 05:01

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