Speak low, No tail (tale). 公演情報 燐光群「Speak low, No tail (tale).」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    幅広い燐光群の作品でもカテゴライズしにくい異色な系譜の中で光っているのが10年以上前、沢野ただし(作品及び本人)に題材を取った『放埓の人・・(長いタイトル)』、これに近い空気を期待して足を運んだ。通ずるものあり(自分の中では)。
    戯曲は作家である小沼氏に発注したと言い、観劇後に見たパンフには三作がクレジットされており、あれらは別作品であったと知る。もっとも小沼氏の文章には、坂手氏に渡した戯曲以外にも過去発表した散文や何かまでコラージュされていて驚いたと書いてある。
    異なるエピソードが交わらずに並行するが一つの作品として納得させる坂手氏の腕は健在。生起する現象はシンプルだが、多くの要素がひしめき、擦れ合って熱を発している。

    ネタバレBOX

    一つ不満を挙げるなら、JAZZ喫茶に流れる音楽が数曲にとどまり、次はどんな曲が・・という期待が途中から無くなってしまった事。正確には、終盤でいきなり新曲を流して「伏兵現る」と客を喜ばせてくれるかも・・という期待はちょっとだけあった。
    リアルな場面を作るなら、無尽蔵と言って良いJAZZ音楽なれば、日時が変われば同じ曲が流れている方が「珍しい」訳で、この舞台では常連客の顔ぶれと場面の性質で曲が決められていて、場面描写の小道具としてでなく劇伴に用いられたというのが、不満の中身である。
    が、劇中に紹介される「ミニマルミュージック」が、実は反映された(とパンフにあった)劇構成に即して、数曲が繰り返される効果をとったというのが実際なのだろう。
    ミニマルミュージックの要は「繰り返し」。ご興味の向きはスティーブ・ライヒをぜひ。

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    2022/02/28 04:07

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