実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/02/05 (土) 17:00
中津留章仁の作・演出で、ある家族の物語を描く。面白い。115分。
交通事故で一時的に記憶を亡くしたらしい女性(平体まひろ)の病室に、同じ会社に勤め事故の加害者になってしまった男(冨岡健翔)が見舞いに(だから『見舞う男』)来る。当初は女性の兄(星野卓誠)と姉(十碧れいや)には胡散くさがられるが、次第に受け入れられ…、な物語。社会派と言われる中津留だが、こういう一種の「ホームドラマ」も書ける、というのは知ってはいたが、本当に久々だなぁという感じ。それぞれが少し変な部分を持つ家族に、不思議な提案をする男、という4人を軸に物語は展開される。元宝塚男役の十碧のヴィジュアルを活かした役作りや、芝居に慣れてる富岡の使い方などは巧いが、昨年の『東京原子核クラブ』から注目した平体が記憶喪失の女という難しい役を演じ、エンディングもしっかり担っていたのは良かった。