JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3) 公演情報 MU「JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ためらいの倫理
    テーマを、シンプルにするどくしぼりきった公演なのに、強い残響を残す多声的な印象。要するに内容が濃い。
そして、その詰め込んでいるのに、暑苦しさをまったくかんじさせない良さは、セリフの切り詰め具合とクールな演出の妙による。
まさにハセガワアユム氏の真骨頂が発揮されている公演。

    ネタバレBOX

    『ためらいの倫理学』(内田樹)という本があって、帰路、公演を思い返していると、ふとそのタイトルが浮かんだ。
今、アマゾンでその紹介文を読むと「ためらい、逡巡するという叡智―原理主義や二元論と決別する「正しい」日本のおじさんの道を提案する。」(抜粋引用)とある。

この公演は愛をストレートにクチにしながら、なぜこうもドライで切ないのか。
登場人物はいう。
「それでもいい」。
「それでも」という前提つきのGOサイン。
ただやみくもな直情ではなく、考え、逡巡して、選択をする。
そして、その得た結論に迷いはない。
同じ迷わなさでも最初から決めてかかる原理主義や「all or nothing」の二元論とは、複雑さを備えている分、強度が違う。
そして、そのアンビバレンスを包括しているから、切ないのだ。

ためらいの倫理を備えた21世紀の公演。
主人公は、もう「こわいんだ」と言わない。
その先に何があるかわからなくても。

わからないその先を、私もまたためらいながら、見続けていきたいと思う。

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    2009/05/30 11:00

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  • MUのハセガワアユムです。御来場ありがとうございました。
    「アンビバレンス」はまさに意識というか、もう性ってくらい離れない要素で、
    それに気付いて戴いて幸いです。

    次回もテーマ絞って行きますので、是非ご期待ください。
    頑張りますー

    2009/06/07 13:11

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