満足度★★★★★
露悪な空気を求めて。
前回が公演中止ということで注目を集めていた今公演。
10ヶ月前に果たせるはずだった初見を、今回ようやく実現。
空気の引き締め方が巧さに舌を巻いた。
最初の引き締めで、この芝居の出来が変わってくるのだろうが、
この上なくバシッと説得力を持った形で決めてくれた。
それ以降も、緩めと締めの具合が絶妙。
露悪的な部分も、好みのタイプだけに好印象。
関係性が非常に劇的でありながら、空気感でリアルになっていく。
実に理想的な作り方をしていると感心。
当然のことながら、俳優陣の巧さもそれに寄与している。
若干の気に掛かった部分もあったが、それを圧倒する説得力。
今のところ、今年三本に入る文句なしの秀作。