成れの果て 公演情報 elePHANTMoon「成れの果て」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    露悪な空気を求めて。
    前回が公演中止ということで注目を集めていた今公演。
    10ヶ月前に果たせるはずだった初見を、今回ようやく実現。

    空気の引き締め方が巧さに舌を巻いた。
    最初の引き締めで、この芝居の出来が変わってくるのだろうが、
    この上なくバシッと説得力を持った形で決めてくれた。
    それ以降も、緩めと締めの具合が絶妙。

    露悪的な部分も、好みのタイプだけに好印象。
    関係性が非常に劇的でありながら、空気感でリアルになっていく。
    実に理想的な作り方をしていると感心。
    当然のことながら、俳優陣の巧さもそれに寄与している。

    若干の気に掛かった部分もあったが、それを圧倒する説得力。
    今のところ、今年三本に入る文句なしの秀作。

    ネタバレBOX



    津留崎夏子(姉)、菊池佳南(妹)、永山智啓(姉の婚約者・昔妹をレイプした)。
    このトライアングルが強固であるからこそ、この芝居が芝居たり得ている。
    特に、先に述べたように最初に空気が締まる、妹の登場シーンの説得力。
    その瞬間に、この観劇の成功を確信した。

    若干気に掛かった部分。
    妹が指示し、姉の婚約者がゲイ男二人にレイプされそうになるシーン。
    最高に緊張が高まるのだが、どこか安全な見世物だなぁと思ってしまう。
    妹が止めに入り、石で殴りつけるところなどなおさらだ。
    暴力的なテキストが世界を強固にしているのだから、もったいない。
    テキストをもっと信頼してもいいのでは。

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    2009/05/27 01:05

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