hana-1970、コザが燃えた日-【1月21日~1月23日、2月10日~11日公演中止】 公演情報 ホリプロ「hana-1970、コザが燃えた日-【1月21日~1月23日、2月10日~11日公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    値は張るが、この脚本・演出は必見だろうと心の声。足を運んで正解、声に感謝。
    沖縄という題材、そして基本台詞のみのストレートプレイ(戯曲・演出上の趣向はあるがドラマを逸脱せず的確)と、正面勝負の演劇であるが、目新しさ、見やすさに傾きがちな演劇界にあって、安易な娯楽性にも逃げずに書き上げ、作られた演劇の持つ確かな力に打たれた。(もっとも、赤裸々な人間描写ゆえに「笑い」はあり、リアル劇ゆえの「ミステリー」要素は備わっているが。)

    ネタバレBOX

    キャストを今回も確認せず(忘れて)見始めたが登場時に判ったのは余貴美子のみ、中盤で松山ケンイチを認識。生舞台を見ていた唯一の金子岳憲は、終演後の「答え合わせ」でオッと気づいた。彼も他の役者も、「当時の沖縄にいた人々」という地味に難しい人物造形をそれぞれに担った。リアルへの役者の努力がドラマの深化に繋がる良質な脚本では、演じる役を通して役者が輝く。後で「答え合わせ」が楽しみになる。

    美術は伊藤雅子、堅実で視覚的なまとまり(構図、美)を備えながら機能的。
    Led Zeppelinのデビューアルバム一曲目が絶妙なアクセント、オープニングに歌が据えられる所からして、tuneがドラマの大きな要素になっている。そしてごく控えめだが「音楽」が鳴る。歴史(史実)を描く劇に相応しく、「リアル」に能う限り抵触させず、かつ場面の核を観客に届ける最小限にして最大の効果を探った「音」が入って来る。「答え合わせ」の結果は、国広和毅。納得。

    今も沖縄では・・・。今も福島では・・・そう意識する時間がどれほどあるかと自問、否自戒するばかりだが、南西諸島の自衛隊配備(ここ数年で加速している)が何の下地作りなのか、といった事を問うていく本土人の責任も「遠い」という感覚的な隔たりで希釈されている。私は明らかに「食い物にされる側」。その事への諦念は「沖縄を捨てる」に殆ど直結している。体を起こさねば、と思う。

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    2022/01/16 08:58

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